スウェットの袖について

知っていて損のないファッション知識「スウェットの袖の呼び名」

こんにちは、コロモビト.です。

アメカジの定番アイテムの一つ「スウェット」。

肌触りが良く、イージーケアな「スウェット」は、アメカジスタイルにはもちろん、きれい目スタイルにも使える着回し力の高さも魅力となります。

読者の方の中にも、夏はTシャツ、春、秋、冬は「スウェット」という方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、ネット通販などでも役立つファッション用語の知識として、「スウェットの袖の呼び名」についてシェアしたいと思います。

「スウェット」について

「スウェット」の袖の話をする前に、「スウェット」について軽く触れておきましょう。

「スウェット」とは?

「スウェット」とは、厚手のメリヤス編みの生地を使用したプルオーバータイプのトップスのことを呼びます。

正式には「スウェットシャツ=sweatshirts」とアメリカで呼ばれているアイテムなのですが、日本では一般的にトップスのことを「スウェット」と呼び、他のアイテムは頭に「スウェット」と付けて、「スウェットパンツ」「スウェットカーディガン」などと呼ばれています。

「スウェット」と「トレーナー」

出典:VAN JACKET

「スウェット」は、「トレーナー」とも呼ばれ、昭和の時代は「トレーナー」という呼称が一般的でした。

「トレーナー」の名付け親は、株式会社ヴァンジャケット(VAN Jacket inc.)の創業者であり、日本における「アイビールック」の生みの親でもある石津謙介氏

1966年に『MEN’S CLUB(メンズクラブ)』という男性向けのファッション誌で「トレーナー」として紹介され、日本中に広まりました。

「Tシャツ」「ガジュアル」「スタジャン」「TPO」「プレミアム」「キャンペーン」など、現在当たり前のように使用しているの言葉は、石津謙介氏が最初に使用したと言われてます。

その後1990年代中頃のヴィンテージブームをきっかけに「スウェット」という呼び名が定着し、現在は「スウェット」と「トレーナー」は、同じアイテムの呼称として使用されています。

本来は生地の名前

本来は、 表地と裏地で質感が異なる二重構造のメリヤス編み生地のことを「スウェット」言います。

語源は英語で「汗」を意味する「スウェット=sweat」、表側がTシャツと同じ天竺編み、裏側が「裏毛」と呼ばれるパイル編みが特徴です。

名前の由来になった「汗を吸収しやすい」、また「伸縮性が高い」「保温性に優れている」という特性があります。

「裏毛」と「裏起毛」

「スウェット」生地は、大きく分けると「裏毛」と「裏起毛」2つに分類されています。

・「裏毛」

「裏毛」は、裏側がタオルのようなループ状のパイル編みになっています

通常の編み物は1本の糸だけで編むことが出来ますが、「スウェット」生地は糸を2~3本使用しないと編めません。

その為「吊り編み機」「トンプキン編み機」「シンカー編み機」という特殊な編み機で作られてます。

・「裏起毛」

「裏起毛」は、裏毛のループ状の編みを特殊な加工で毛羽立たせた物を言います。

「裏毛」に比べてボリューム感が増し、保温性が高くなります。

「吊り編み機」と「シンカー編み機」

「吊り編み機」は「ループウィール=loopwheel」とも呼ばれる旧式の編み機です。

1時間に約1メートルしか編むことが出来ない非効率な編み機ですが、糸に余計な力を加えずに編む為、柔らかくふんわりとした質感の生地を編むことが出来ます。

また洗濯を繰り返しても型崩れしにくく、着込むほどに体に馴染んてくるという特徴があります。

ヴィンテージスウェットは、基本的にこの「吊り編み機」を使用して作られたアイテムのことを呼びます。

「シンカー編み機」は「吊り編み機」のなん10倍もの速度で生地を編むことができます

大量生産が可能ということもあり、現在では多くの工場が「シンカー編み機」を使用してスウェット生地を作っています。

スウェットの歴史

出典:RUSSELL ATHLETIC

「スウェット」など、アスレチックウェアを起源とするアイテムには、コットン(綿)など肌触りの良い素材を使用することが一般的ですが、その昔は素材にウール(毛)が使用されていました

今から100年ほど前の1926年、「RUSSELL ATHLETIC=ラッセルアスレティック」の創業者「ベンジャミン・ラッセル=Benjamin Russell」の息子「ベニ・ラッセル=Benny Russell」は、当時フットボールの練習でウール製のユニフォームを着用していました。

しかし、ウール製のユニフォームは、かゆみと擦れの原因になるということもあり、新しいフットボールユニフォームのアイディアを父親に伝えます。

「ベンジャミン・ラッセル=Benjamin Russell」はその提案を受け入れ、コットンバージョンのフットボールシャツを1930年にラッセル・アスレチック工場で生産を開始しました。

この「RUSSELL ATHLETIC=ラッセルアスレティック」で作られたアイテムが、現代のスウェットシャツの原型と言われています。

「スウェット」の袖の種類

「スウェット」の袖は、運動時の動きやすさを考慮して、袖付けも腕が動かしやすいように工夫されています。

袖の種類は、大きく分けると「セットインスリーブ」「フリーダムスリーブ」「ラグランスリーブ」の3つ。

それぞれの袖の特徴などについて、シェアしていきましょう。

セットインスリーブ

出典:WAREHOUSE

肩から脇に向けてほぼ垂直に縫い付けられた袖付けのことを「セットインスリーブ」と呼びます。

人間の腕は日常的に手が下に向いていることが多い為、腕周りにできる皺(シワ)を軽減する効果があると言われています。

「セットインスリーブ」は、スウェット以外のアイテム(ジャケット・シャツなど)、幅広いアイテムの袖付けとして採用されています。

フリーダムスリーブ

出典:WAREHOUSE

「フリーダムスリーブ」は、肩から腕へS字の曲線を描くように縫い付けられた袖付けのことを呼びます。

球技でスローイングがしやすいように考案されたアスレチックウェアとしてのデザインでです。

また「セットインスリーブ」は激しい競技の際、腕を引っ張られて肩口が破れやすいのに対して、「フリーダムスリーブ」はその軽減が出来るという特徴もあります。

「フリーダムスリーブ」は、1940年代から1950年代に作られた「ヴィンテージスウェット」と呼ばれるアイテムに良く見られるディティールです。

ラグランスリーブ

出典:WAREHOUSE

「ラグランスリーブ」とは、襟ぐり(ネックライン)からわきの下に掛けて斜めに切り替え選を入れて、肩と一続きになった袖付けのことを呼びます。

「セミ・ラグランスリーブ」「サドル・ラグランスリーブ」「スプリット・ラグランスリーブ」などのバリエーションがあり、スウェット以外でもコートやジャケットなど、幅広いアイテムのディティールとして用いられています。

その歴史は古く、1853年のクリミア戦争で活躍した英国のラグラン将軍が、負傷兵が着脱しやすい服として考案したのが始まりとされています。

またラグラン将軍の名前が「ラグランスリーブ」の由来と言われています。

「スウェット」を使用したスタイリング

デニムジーンズと合わせたきれい目アメカジスタイル

「セットインスリーブ」の「スウェット」とデニムジーンズをコーディネートしたアメカジスタイルです。

色落ちしていないデニムジーンズをコーディネートすることで、きれい目な雰囲気を演出、裾をロールアップして抜け感を演出しているのもポイントです。

ボトムスを色落ちしたデニムジーンズに変えれば、王道系のアメカジスタイルが決まります。

シャツを重ね着した大人なレイヤードスタイル

チェックシャツの上から「ラグランスリーブ」の「スウェット」を重ね着したスタイリングです。

ラフな印象の「スウェット」ですが、コーディネートを工夫することで上品でキレイ目なスタイルも楽しむことができます

今風、リラックススタイル

トレンドのリラックススタイルを楽しむ際には「セットインスリーブ」がおすすめです。

袖付けの位置を腕側にずらしたドロップショルダーの着こなしが、ゆったりとしたリラックス感を底上げしてくれます。

「スウェット」セレクト

GOOD ON(グッドオン) カラー別注 ラグラン クルー スウェット / ピグメントダイ 顔料染め

細部までこだわりぬいたラグランスウェット
GOOD ONより、顔料染めを施したラグランスリーブのスウェット。

適度な厚さの【9oz(オンス)】の生地は丈夫で吸湿性に優れ、裏側はパイル状の優しい肌あたりによって快適な着心地となり、季節を問わず着回せるアイテムです。

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KEPANI(ケパニ) 別注 セットインスリーブ スウェット

旧式編み機でつくられる極上スウェット
極上の肌触りが特徴のKEPANIのスウェット。
特にKEPANIの代名詞である「ラフィー裏起毛」は、暖かく柔らかい極上の肌触りの虜になるアイテムです。

こちらは、ROCOCO別注アイテムとなっております。 通常のKEPANIのスウェットよりも身幅を広めに、丈は少し短いヴィンテージデザインに仕上げました。
また、ラグランデザインをセットイン・スリーブにすることで、どなたでも着やすいシルエットに◎。 「肌触り」と「着心地」にこだわった1着をお楽しみください。

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BARNS(バーンズ) カラー別注 吊り編み 裏毛 クルー スウェット

『空気を編み込む』着心地抜群のスウェット
『BARNS / バーンズ』看板商品である「吊り編みスウェット」。吊り編み機による柔らかさ、独特の風合いは一度体感していただきたい抜群の逸品です。

素材の特性を生かし、詰まり過ぎない程よいネックラインのスッキリとしたシルエットに仕上げています。

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REMI RELIEF(レミレリーフ) SP加工裏毛 BIGサイズクルー

REMI定番スウェットをワイドに
ヴィンテージが朽ち果てていくのと全く同じ原理で加工したブランドのスウェットシリーズ。定番よりも身幅や腕周りが広くつくられた、ワイドシルエットが登場しました。

昔ながらの直接染料のを使い水素と結合させて、ゆっくりと長時間かけて染料を退色させています。薬品を入れたりバイオによる生地を無理に融かしたりするような加工とは違い、古着本来の経年によるダメージに近い出来栄えです。

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MOC T(モクティー) スィック フリース クルーネック プルオーバー

着心地と美しさを追求した一着
日本のグレーを代表するブランド「moc T(モクティー)」より、ルーズフィットの「クルーネックプルオーバー」が登場。着心地と見た目の美しさを極限まで追求してきた素材で仕上げられた一着です。

オーバーサイズながらもバランスの良い丈感で、野暮ったさのない印象に。保温性が高く吸水性にも優れた生地は、心地良い着用感を実現してくれます。

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最後に

ファッション用語は分厚い辞典が作れるほど、非常に多くの用語が存在しています。

以前はデザイナーや販売員などファッションの仕事に関わる人間の知識だけでよかったのですが、ネット通販が当たり前になった今は、知っていて損のない知識の一つなのではないでしょうか?

今回の記事では「スウェットの袖」についてのお話をさせていただきましたが、また機会があれば別のファッション用語についても取り上げていきたいと思います。

「スウェット」を取り扱った記事は他にもございますので、今回の記事と合わせて読んでみてください。

どうして「吊り編み」が人気なのか、わかった気がします。

コロモビト.ではあなたを魅力的にする情報をお届けしていきますので、またお越しいただけましたら幸いです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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