こんにちは、コロモビト.です。
日本を代表するスニーカーブランド『ムーンスター』をご存知でしょうか?
ムーンスターは、1873年にゴム産業の街、福岡県久留米市で生まれ、
今年の2023年、10月20日に創業150周年を迎えるブランドです。
日本人の足を研究し、確かな製法で靴を作る為に努力を重ね、
ジャパンメイドによる最高品質の靴を生み出してきた結果、今ではその評判は海を越え、
海外のお客様からも注目されるブランドへと成長し続けています。
そこで今回は、新たなステージへと挑み続けるMOONSTARの魅力について、誕生からこだわりの製法、
そして現代に生まれたとっておきの商品をご紹介させていただきます。
MOONSTAR(ムーンスター)について
ムーンスターは、福岡県のシューズブランド。
そのルーツは1873年、創業者である倉田雲平が久留米の米屋町で始めた、足袋専門店の「つちやたび店」でした。
地下足袋の生産をきっかけにゴム産業の町として発展し、長い歴史を誇る久留米。
久留米の自社工場では靴づくりに、自信と誇りを持って「MADE IN KURUME」の靴を生み出し続けています。 その中でも幅広いカテゴリーのシューズを手掛けるムーンスターが大切にするのは、“使われてこそ 価値のあるものづくり”という思い。
そんなムーンスターの靴を語る上で外すことが出来ないキーワードが「ヴァルカナイズ製法」「インジェクション製法」「ダイレクト・ウレタン・ソーリング式製法」です。
耳にした事もあるけど、いまいちよくわからない…という方もいらっしゃるかと思いますので、この3つのキーワードについて解説させていただきます。
ヴァルカナイズ製法(加硫製法)とは?
ヴァルカナイズ製法で使用する加硫缶 (窯)
【引用:ヴァルカナイズ製法 | 知っておきたい靴のこと 】
靴本体とゴム底とを接着した後、硫黄を加えた釜で熱と圧力をかける製法で、
170年以上も前の1839年に、アメリカの発明家チャールズ・グッドイヤーが発明した
“スニーカーの基本製法”です。
国内でもごく僅かな工場でしか生産することの出来ないヴァルカナイズ製法(加硫製法)。
この製法から生み出される靴にはソールがしなやかで柔らかい、丈夫で壊れにくい、
美しいシルエットが保てるという特徴があります。手仕事の工程が多く、
技術が必要とされる製法ですが、熟練の手仕事でしか生み出せない、精巧で美しい“作りの良さ”が
魅力です。
【YouTube】MAKING PROCESS OF FINE VULCANIZED
実際の大まかな工程
1.靴本体とゴム底とを接着した靴を加硫缶という大きな窯に入れて、一定時間の熱と圧力を加える。
2.120℃程度・約1時間の加熱が終わり次第、熱風と白煙、そしてゴムの匂いが充満する中、靴を取り出す。
3.熱を持ったスニーカーの形を安定させるため、大きな扇風機で冷ます。
4.生ゴムと中に練り込まれた硫黄が熱により化学反応を引き起こし、柔軟性と耐久性に優れた靴の出来上がり。
このように基本的には製作上、手作業が必要な為、想像以上に労力と手間がかかり、
生産効率が悪いことからその数は激減してしまいましたが、ムーンスターは今もなおこの製法を守り続けています。
ヴァルカナイズ製法の製品例
★GYM CLASSIC
詳細を見るMOONSTARの中でも定番モデルとして人気の高い「ジムクラシック」。
1960年代に生産していたトレーニングシューズを現代に再現したモデル。今では簡略化されている当時の作りを再現することで、シルエットが綺麗に保たれ、より丈夫な仕上がりに。
★ALWEATHER
詳細を見る全天候に対応するシューズをコンセプトにした「オールウェザー」シリーズのサイドゴアブーツタイプ。キャンバス地のアッパーにラバーを貼り合わせることで、水の侵入を防ぎ雨の日にも快適な足元に。他にもアウトドアシーンや野外イベント・フェスなどでも大活躍間違いなし。
■オールウェザーのこだわりポイント~1足に6種類のゴム~
全天候型の靴としてつくった“ALWEATHER”には、6種類のゴムが採用されました。
【 引用 :10のはなし 】
1. 「月形ゴム」かかとをホールド
2. 「テープゴム」靴構造をしっかりと支える
3. 「胴ゴム」足に負担をかけないために側面を覆う
4. 「底ゴム」摩耗しにくく適度に柔らかい
5. 「中底ゴム」スポンジの様にクッション性が良い
6. 「接着ゴム」布とそれぞれのゴムをくっつける
ゴムの製造においては、人の暮らし方がさまざまである様に、原料の配合比率にも、靴のどの部分にどんなゴムを組み合わせるかは千差万別。
薬品の配合比率、混ぜ方、熱を加える加硫工程での温度との相性など、試行錯誤を繰り返していく中で、履く人の用途や環境で役割を全うする価値のある靴を生み出しています。
インジェクション製法とは
インジェクション製法の設備と実際の接着時画像
【引用:インジェクション製法|知っておきたい靴のこと 】
底材を金型に注入し、ソール成型とアッパー接着を同時に行う製法。
大掛かりな生産設備が必要なため、国内では僅かな工場でしか生産することができません。久留米工場では、国内では希少となったインジェクション製法(機械靴)用の大規模な設備が健在しています。
この製法では、人の足の形状に沿った優れたフィット性とクッション性を持ち、アッパーとソールの接合部に隙間がなく密着性が高い為、底剥がれや型崩れしにくい点も特徴です。、海外では「靴下に底をつけた靴」とも呼ばれることも。
この製法によって生産される製品には上履きや介護用シューズ、レインブーツ等があります。
インジェクション製法の製品例
★CHIC INJECTION
製品例はこちら→ CHIC INJECTION |MOONSTAR-MADE IN KURUME
ダイレクト・ウレタン・ソーリング式製法
【 引用:SHINARI | Granstra 展示会サービス 】
ムーンスター佐賀工場では古くから続く、国内でも数社しか設備を持たない希少な製法の一つ。
ソールを「縫う」「接着する」ことが多い製靴技術の中、 「直接」ソールをつける特殊な製法。液体のソール素材が直接型に流し込まれ、立体的な足型に隙間なく密着しながら成型・接着することで、足と靴との一体感を生み出します。
その快適さから、コンフォートシューズ(足の健康を考慮して作られた、履き心地重視の靴)の製造に多く使われています。
ダイレクト・ウレタン・ソーリング式製法の製品例
SHINARI
「何かを付け足すのではなく、素材の特性と設計で良さを求める」というコンセプトのもと開発された「SHINARI」。アウトソールをしならせることでクッション性を生む独自のソール形状に、ムーンスターのアーカイブから主に革靴のデザイン要素を取り入れたシリーズ。
★SHINARI / SUMEN
詳細を見るシンプルなダービープレーンの「SUMEN(素面)」は、特徴的な羽根のステッチングやパターンの重なりによって上品さがありつつも、足に優しいコンフォートな履き心地が魅力の1足。
★SHINARI / KI
詳細を見るこちらの『KI / キ (生) 』は、切替を最小限に抑えたアッパーが特徴的なミュールタイプのシューズ。上品な佇まいながら着脱しやすく気軽に楽しむことができます。
その他 人気製品シリーズ
★810s
専門分野で培ってきた靴作りのノウハウを活かし、日常生活に“ちょうどいい”靴を提案する大人気のプロダクトライン
★810s / KITCHE
詳細を見る■キッチンから日常の“ちょうどいい”へ
厨房や食品工場で使われるキッチンシューズを、デイリーユースにした『KITCHE (キッチェ)』。
油や水に濡れた床面にも吸い付く滑りにくいマルチストッパーソールに、汚れにくく手入れが楽なアッパー素材を採用しています。個性を活かしつつも程よく馴染み、スタイリングの主役になり過ぎない一足。
★810s / SNOWF
詳細を見る■南極大陸から日常の“ちょうどいい”へ
南極観測隊が使用していた特殊防寒靴をルーツにウィンターシューズ製造のノウハウをデイリーユースにした『SNOWF(スノーフ)』。
ショートブーツのようなスタイリッシュなデザインは、タウンからアクティブまで、冬の寒さや雪に左右されずに楽しめる一足。
★Gently
【 引用:gently By WORLD MARCH 】
2021年から登場。「硬くて疲れる靴は嫌だけど、足元は手堅く決めたい。」そんな要望にお応えした、コスパ最強の「スニーカーみたいな革靴」シリーズ。
★Gently①
詳細を見る■高コスパな多機能レザーシューズ
「紳士になれる靴」をコンセプトに、革靴のもつ雰囲気や上品さをカジュアルシューズに落とし込んだシューズライン「gently」。30年以上の歴史がある日本初のウォーキングシューズブランドWORLD MARCHの技術力を引き継ぎ、履く人に“優しい”履き心地を実現しました。
★Gently②
詳細を見る■本革×機能性でいつでも紳士に
「紳士になれる靴」をコンセプトに革靴のもつ雰囲気や上品さをカジュアルシューズに落とし込んだライン「gently」より、Uチップのトラッドシューズ。
30年以上の歴史がある日本初のウォーキングシューズブランドWORLD MARCHの技術力を引き継ぎ、“優しい”履き心地を実現。
最後に
長い歴史の中で、”すべての人々の「笑顔」と「しあわせ」のために” という経営理念のもと、
こだわりのある製品を世に生み出し、たくさんの人々から愛され続けている「ムーンスター」というブランド。
毎日履くものだからこそ、普段何気なく履いている靴がどんな風にして作られているかを知ることで、より愛着が湧いてきた気がします。
記念すべき節目である、150周年を迎えるブランドの商品を、この機会にぜひ、ご覧くださいませ。
【MOONSTAR商品一覧はこちら】
【 引用:MOONSTAR公式HP 】