ビジネスやフォーマルな場面で履くことの多い革靴ですが、靴箱から出したら「表面に白い粉のようなものがついていた」「雨のときに履いていないのに白く汚れている」など、原因のわからない汚れがついていたなんてこともあるのではないでしょうか。
実はこうした白い粉のような汚れが発生する原因はいくつかあり、それぞれ適切な対処をしないと解消できません。そこで今回は、革靴表面にできる白い粉の正体と対処方法について解説します。
白い粉の正体は「カビ」「ブルーム」「塩」
革靴の表面にできる白い粉の正体は、主に「カビ」「ブルーム」「塩(スピュー)」の3つです。現象は似ていますが、どれも発生原因は異なります。
カビが生える原因
引用:【革靴のカビ対策】革を傷めずきれいにカビ取り & カビ予防
イヤな臭いがする「カビ」は、湿気により菌が繁殖することが原因です。
雨で濡れた、足汗をかいたのに乾燥させないと湿気を多く含んだ状態になります。靴を脱いですぐ靴箱にしまうと、湿気は逃げ場を失い菌が繁殖して表面にカビとなって現れるのです。
また靴箱の換気をしていない、靴を詰めて収納していると空気の流れが悪くなりカビが発生しやすくなります。放置しておけば他の靴にカビの臭いがうつる可能性もあるため、非常に厄介な汚れです。
ブルーム現象が起きる原因
引用:パラブーツ、これはカビ?
「ブルーム」とは、皮革に含まれるロウ成分や油脂が表面にうっすらと白く滲み出て凝固したものです。革靴にとって必要な成分なので発生しても害はありません。
革靴は表面の光沢や強度を上げるためロウ成分や油脂、メーカーによってはグリースを浸透させます。これらの成分は低温下で凝固しやすく、ほとんど使っていなくても革靴の特性上ブルームが発生するのです。
塩が吹く原因
引用:雨に濡れた革靴の白い粉・塩吹きと凸凹・銀浮きのお手入れ方法!
塩が吹くことを「塩スピュー」とも呼びます。これは皮革に含まれる塩分や、汗に含まれる塩分が雨などで濡れて表面に溶け出したものです。皮革が乾燥すると塩分が凝固し、白い粉のようになって現れます。
革靴にはよく見られる現象なので、適宜対処するしかありません。
白い粉が出てきたときの対処法
「カビ」「ブルーム」「塩」と原因が異なるため、それぞれに適した対処法を行わなければすぐ再発するなど、しっかり汚れを落とせません。ここでは原因別の対処法を紹介します。
カビ
「ブラシ・タオル・乾いた布(2枚)・皮革用除菌スプレー・革靴用クリーナー・革靴用クリーム・防水スプレー」を用意します。
- ブラシでやさしく表面についた砂やホコリを落とす。
- 皮革用除菌スプレーをタオルに染み込ませ、カビを落とす。皮革に直接スプレーを噴射すると色落ちしかねません。事前に目立たない部位で色落ちしないか確認しましょう。
- 除菌し終わったら、水で濡らしたタオルを絞り、全体を拭き取る。
- 風通しの良い日陰でしっかり乾燥させ、革靴用クリーナーを布に染み込ませ全体をきれいに拭く。
- 乾燥した布に革靴用クリームを適量取り、革靴に塗り込む。
- 防水スプレーを革靴に吹きかければ完了です。
注意点として、カビを拭き取るときは水洗いをしてはいけません。皮革が水分を吸収し、菌を増殖させる恐れがあります。
ブルーム
「ブラシ・乾いた布(1枚)・革靴用クリーム」を用意します。
- ブラシを使って表面をしっかりブラッシングする。ブルームは熱で溶けるため、ブラッシングの摩擦熱で皮革に戻っていきます。
- ブラッシングだけでブルームが残る場合は、革靴クリームを布に取り塗り込むと良いです。
塩
「ブラシ・乾いた布(2枚)・革靴用クリーナー・革靴用クリーム・防水スプレー」を用意します。
- 表面についた砂やホコリなどの汚れをブラシでやさしく落とす。
- 布に革靴用クリーナーを染み込ませ、擦らずにやさしく拭き取る。
- 布に革靴用クリームを取り、薄く延ばすようにやさしく塗り、乾燥したら乾いた布で軽く磨く。
- 防水スプレーを革靴に吹きかければ完了です。
革靴ケアに必須のアイテム選びポイント
クリーナー
クリーナーを選ぶときは、汚れをしっかり落としたいかどうか、汚れの種類によって水性・油性タイプのどちらを選ぶかがポイントです。
クリーナーは革靴に付着した砂やホコリ、古くなった革靴クリームやワックスを落とす役割があります。中には保湿や栄養補給もできるクリーナーもありますが、クリームが保湿や栄養補給を行ってくれるので、慣れない方は汚れ落としに特化したものを選ぶと良いでしょう。
水性か油性タイプかについては、油性タイプは洗浄力が高いため皮革に負担がかかります。水性タイプは油分に弱いものの革にやさしく取り扱いやすいです。「カビ」「ブルーム」「塩」であれば水性タイプで問題ありません。
クリーム
クリームには「乳化性クリーム」「油性クリーム」「ワックス」の3タイプありますが、はじめは乳化性クリームがあれば大丈夫です。乳化性クリームは革靴に必要な水、油、ロウを混ぜたものなので、これさえあれば保湿できます。
油性クリームは、乳化性クリームより光沢を出したいときに使いますが保湿はできません。ワックスは鏡面仕上げに使いますが、「つま先」や「かかと」以外の部位に塗るとシワができた際にワックスの膜が剥がれ皮革を傷めます。慣れない方にはおすすめしません。
ブラシ
ブラシには主に「馬毛ブラシ」と「豚毛ブラシ」があります。馬毛ブラシはやわらかく、毛の密度が高いです。そのため細かい砂やホコリ落としに使います。
豚毛ブラシは馬毛に比べて毛が硬く、密度も低いです。しかし、馬毛よりコシがありしっかりブラッシングできるため、革靴用クリームの塗り込みやブルーム落とし、靴底の砂を落とす際に使います。
両方持っていると、ケアを行いやすいです。
クロス
クロスの素材は主に「コットン」「コットンフランネル」の2つです。
コットンは、汚れ落とし、クリームの塗り込み、ブラッシング後の乾拭きに使えます。生地がやわらかく滑らかで、汎用性が高いです。
コットンフランネルは、同じコットンでも分厚く起毛処理がされています。きめも細やかなので仕上げや鏡面磨きに最適です。
革靴のケアに役立つアイテム3選
革靴ケア用品を使ったことがない初心者でも安心して使える、便利な革靴ケアアイテムを紹介します。
シューケアセット
詳細を見る初心者に最適な「BOOT BLACK SILVER LINE(ブートブラックシルバーライン)」のシューケア入門セット。
最高級シリーズのクリーナーとクリーム、ブラシ2種、クロス、グローブクロスと、ケアに必要なアイテムが揃っています。クリーナーは水性・油性のどちらにも対応できるタイプなので、何の汚れか分からなくても迷う必要がありません。
パッケージには使用方法も記載されているので安心してケアできます。
豚毛ブラシ
詳細を見る「COLUMBUS(コロンブス)」の豚毛ブラシは、汚れ落とし、クリームを均等に伸ばし馴染ませる、クリーム後の磨きやツヤ出しに最適です。スエードやヌバックにも使えます。
幅広く使えるので、1つ持っていると便利です。
クロス
詳細を見る「COLUMBUS(コロンブス)」の磨き用クロスは、綿100%で両面肝王処理されたコットンフランネル。
分厚くやわらかい生地は、クリームを塗ったり磨いたりするのに最適です。デリケートな皮革でも安心して使えます。
まとめ
革靴は丁寧に扱っていても「カビ」「ブルーム」「塩」といった、いつの間に汚れているということもあります。皮革はデリケートなので、汚れが目に見えなくとも日頃のケアは欠かせません。
大切な革靴をきれいに履き続けるためにも、今回の記事を参考にしていただけたら嬉しく思います。
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