安価な洋服に隠された闇からの脱却、時代は「エシカルファッション」へ

こんにちは、コロモビト.です。

資本主義の経済体制の世の中では、時代と共に物価は上がり、給与も増えますが、モノの値段が上がるというのが必然です。

ちなみに筆者が高校時代に初めてやった遊園地でのアルバイトは時給350円、その後大学生時代にやっていた喫茶店でのアルバイトは時給500円でした。

今から考えると笑っちゃうぐらい安いですよね。

ただし交通費やモノの値段は安く国鉄(現・JR)の初乗り運賃が60円、タクシーの初乗りは220円、ジュースは30円でした。

逆に高価に感じたのが洋服。

筆者の大学時代はいわゆるDCブームが全盛期だったということもあり女性にもてたいという一心で“comme des garcons”の服を月賦(今で言うローン)で買っていました。

現在はどうでしょう?

JRやタクシーの初乗りの料金は高くなりましたが、洋服は当時よりもむしろ安く買えるようになりました。

そこで今回は、洋服の値段とエシカルファッションについて考えてみたいと思います。

洋服の値段はどのようにして決まるの?

洋服に限らず、モノを作る際には製造原価というのもが存在します。

洋服の製造原価は一般的に「縫製工賃・生地代・附属代・仕上げ代・検品代・その他費用」となります。

この製造原価に一着あたりの企業の利益をプラスして販売価格が決まります。

この利益のプラスの仕方は企業の業態や方針により異なり、一着当たりの製造原価が占める割合を「原価率」と呼びます。

この製造原価の中でも縫製工賃の占める割合は非常に高く、この縫製工賃が販売価格に大きく影響を与えています

縫製工賃

縫製工賃は一般的に人件費と生産効率から算出されます

一着分の工程数と発注数量から「一日当たり平均して何枚生産可能か?」ということが工賃を算出する際の基準となります。

人間は作業を繰り返すうちに慣れるという習性があるので、工場の規模にもよりますが生産数量がある一定数量を超えることで工賃は安くなります。

この縫製工賃が人件費と生産効率を基準にする為、先進国で作られた商品と発展途上国(開発途上国)では工賃に大きな違いが生じます

安い工賃を求めて

筆者がまだ学生の頃は、多くの洋服が「日本製」で高価な洋服は「アメリカ製」「イギリス製」「イタリア製」などのいわゆる先進国の商品でした。

その後安価な商品として「韓国製」が登場したのですが、「韓国製」の商品はどことなく安っぽく感じ筆者また当時の友人が「韓国製」の洋服を着ることはあまりありませんでした。

1988年に開催されたソウルオリンピックを境に韓国での物価も上昇、それに合わせるように工賃も高くなったことから販売価格を安く設定したいアパレル企業の多くが、より工賃の安い「中国」に生産拠点を移していきました

しかしこの中国も2008年に開催された北京オリンピックを境にして工賃が上昇、それに合わせて販売価格を上げれば良いのですが販売価格を安く設定したいアパレル企業は更に工賃の安い工場を探します。

その結果アパレル業界を大きく揺るがす大事件「ラナ・プラザの悲劇」が2013年が起こります

筆者こぼれ話

筆者が大学卒業後に就職したアパレル企業は今で言うところの「SPA(製造小売業)」の走りのような企業で自社工場を持ち、直営店での販売をしていました。

企業が成長していく中、企業の利益を上げるという理由もあり一部海外の工場を使用することになりました。

筆者が初めて訪れた国が韓国のソウルです。当時はソウルオリンピックが開催された後ということもあり、工場も非常に綺麗で20人前後の縫製スタッフが働いている日本と比較的近い施設でした。しかし、工賃は日本と比べて多少安くなる程度ということもあり、技術レベルは日本の方が圧倒的に高かったのでメリットを感じませんでした。

その後訪れたのが中国の上海です。中国を訪れて最初に驚かされたのが人の数の多さ、また自転車に乗っている人が非常に多く、道路は自転車で埋め尽くされ、クラクションを鳴らしっぱなしにしないと車を運転することができないほどでした。

次に驚かされたのが工場の規模、筆者が訪れた工場は6階建てのビルのような施設で何百人という縫製スタッフが働いていました。しかし、縫製技術のレベルは低く、工場で働く人たちの商品に対する意識も希薄で縫製中に汚れても関係ないという姿勢でした。筆者が「商品が汚れては困る」と注意すると逆に「洗えば大丈夫、中国の人はみんな始めて着る時には必ず洗う」という返答が返ってきて国民性の違いというのを痛感いたしました。

当時は縫製することが出来る生地も限られていて柔らかい生地は基本的にNG、また使える生地の選択肢も少なく縫製工賃が安いというメリットだけでした。

安価な価格競争が引き起こした悲劇

出典:Flickr

2014年4月24日、バングラデシュの首都ダッカ近郊で複数の縫製工場が入った複合ビルが崩落し、死者1,100人以上、負傷者2,500人以上を出す大惨事が起こります。この複合ビルの名称が「ラナ・プラザ」ということから「ラナ・プラザの悲劇」と呼ばれています。

事故は目先の利益だけを求める企業が、安全管理を無視して違法な建て増しなどしたのが原因とされています。当時このビルにはファストファッションと呼ばれる企業の商品を生産する工場が入っており、安価な工賃を求めて競争した結果起こった悲劇と言われています。

安価な価格に隠された裏側

縫製工賃は人件費が大きく影響します。

その結果、安価な労働力が求められ月収3,900円の低賃金で働かせられたり、更に低賃金の子供が働いている工場も存在します。

安価な価格を追い求めるということは、多くの犠牲の上に成り立つというのが現実です。

また工賃を安くする為に商品を大量に作り、売れ残りが発生した場合は大量に破棄するという「衣料廃棄ロス問題」も環境破壊という観点からも考えないといけない課題です。

エシカルファッションという考え方

エシカルファッションとは「生産に関わるすべての人と地球環境に配慮したファッション」のことを呼びます。

低賃金で働かされている人たち、学校にも行けずに働かされている子供たち、そして作り過ぎて余った洋服を破棄して引き起こされる環境破壊ということへの問題意識を持ち、ファッションを楽しむことが大切だという考え方です。

その為に一番大切なことは「洋服を長く大切に着る」ということです。

筆者が子供のころには「モノを大切にしなさい」と良く怒られていました。
靴下に穴が開けば穴の開いた部分を縫って履く、ズボンが破れたら補正して穿くことが当たり前でした。

今はファッションアイテムとして人気のあるクラッシュデニムパンツ(ヴィンテージ加工ジーンズ)のリペアーも、本来はモノを大切にして出来るだけ長く使うという発想から生まれたものです。

人間が本来大切にしなければいけない倫理・良識を基準に作られたものでおしゃれを楽しむ、それがエシカルファッションです

エシカルファッションを考えて作られたアイテム

世界に誇れる日本の技術力、エシカルファッションを語る上で日本製(Made in Japan)は、外すことの出来ないキーワードです。

「長く愛着を持って着続けることができる」をコンセプトに作られた日本製アイテムを厳選セレクト。

JAPAN BLUE JEANS(ジャパンブルージーンズ) RJB3710 別注 8oz セルヴィッチ エンジニア ジャケット

60年代エンジニアジャケットに遊び心をプラスし別注
8ozセルヴィッチデニムを使用した、エンジニアジャケット。

しっかりとデニムの表情がありながら、ライトオンスなのでデニム特有のゴワつきがなく、サラッと羽織っていただけます。

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FOB FACTORY(FOBファクトリー) F2395 フレンチ シャツコート

多様な楽しみ方ができる不朽のコート
フレンチカバーオールをデザインソースに、高密度ウェザーを使用した気軽にサラっと羽織れるシャツコート。

ジーンズなどのカジュアルなアイテムは勿論、トラウザーなどの綺麗めなアイテムとの相性も◎。コーディネート次第で様々な雰囲気を演出することができ、世代を問わずに楽しんで頂ける不朽のコートです。

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GOOD ON(グッドオン) ラグランヘビー ポケット Tシャツ ショートスリーブ

気ごたえのあるヘビーウェイトTシャツ
365日着られる丈夫なTシャツに定評のある『GOOD ON』。こちらは、定番の5.5ozよりも更に重厚な”9oz”のヘビーウェイトTシャツです。
薄手のスウェットさながらの肉厚な生地は、一枚で着てもサマになり、長く愛用できる逸品。

親しみやすいシンプルなデザインですが、味わい深い表情が特徴の「ピグメントダイカラー」が大人の雰囲気を演出します。

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JAPAN BLUE JEANS(ジャパンブルージーンズ) J401 サークル 14.8オンス クラシック ストレート ジーンズ

新次元のフィットジーンズ
海外からも高い評価を受けるJAPAN BLUE JEANSの新たなジーンズライン『CIRCLE』。深めの股上とやや太めのシルエットが特徴のクラシックなモデルです。

これまでのパターンを一新し、「カーブベルト」にすることで腰回りのフィット感を追及。国内生産で妥協のない“本格的なデニム”をより穿きやすく、あらゆるライフスタイルに寄り添うよう生み出された一本です。

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JAPAN BLUE JEANS(ジャパンブルージーンズ) 別注 RJB1610

40年代のミリタリーチノを美しい別注テーパードに
40’sミリタリーチノをベースに、現代的なシルエットと風合いのある生地で魅せたROCOCO完全別注です。ヒップとわたりをかなり太めに設定し、膝から裾にかけてを急激に細くしたテーパードシルエット。太ももがしっかりしているスポーツマンの方でも、気楽に着用いただきたい1本です。

股上をやや浅めにしているため足を長く見せ、スッキリとした印象に。当時の武骨さを残しながらも、今の着まわしにフィットしやすいモデルです。

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最後に

本来ファッションというものは多くの人が笑顔になれる物でした。しかしいつの日からか多くの犠牲の上に成り立つ一部の人間が笑顔になるものへと変化してしまいました。

今回の記事で、現代の「より安く より多く」という発想から生まれた「ファッションは使い捨て」という考えに疑問を持ち、商品に愛着を持ち長く大切に着るということも大切だということが一人でも多くの方にお伝えすることが出来たのならば嬉しく思います。

コロモビト.ではあなたを魅力的にする情報をお届けしていきますので、またお越しいただけましたら幸いです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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