誕生90周年を迎えたラコステの歴史と、代表「L.12.12」の魅力に迫る

こんにちは、コロモビト.です。

「ワニ」のワンポイントでお馴染みのポロシャツと言えば…そう、ラコステ(LACSTE)。
今回は、1933年に誕生して以来、90年以上世代を超えて愛され続けている、ラコステの代名詞でもあるポロシャツ「L.12.12」の魅力に迫ってみたいと思います。

ラコステとは

1933年、プロテニスプレイヤーのルネ・ラコステ氏が創業したフランス発スポーツカジュアルブランド。代表アイテムであるポロシャツは、もともとテニスウェアとして開発され、今では夏トップスの最定番として世界中の服好きから愛されています。

ポロシャツ誕生のきっかけ

1929年4月23日ロンドンのハイバリーで試合に出場したルネ・ラコステ
引用:FORZ STYLE

当時のテニス選手は長袖のワイシャツを着てプレーをするのが一般的で、汗を吸ったその生地が肌にまとわりつき、競技に集中できない環境にありました。

1927年ルネがロンドンへ旅行に行った際、現地のシャツメーカーで汗をよく吸うニット生地を見つけました。そしてロンドンのポロ選手たちが、これとよく似た柔らかい生地のシャツを着てプレーしていることにヒントを得ます。

引用:LACOSTE

ルネは、ロンドンで見つけた生地を元に、テニスにも使える半袖の衿付きシャツを開発しました。これが元祖ポロシャツ誕生の瞬間です。さらに、ポロシャツの代名詞である鹿の子素材を、最初から自分たちで開発したというのも驚きです。

伸縮・通気性に優れた鹿の子ポロシャツは、選手の間でたちまちブレイク。これはイケる!!と確信したルネは、1933年にフランス中部の都市トロワでニット製造工場を営んでいた友人アンドレ・ジリエ氏と共同出資して、「シュミーズ・ラコステ社」を設立することになりました。

正式なモデル名称

ラコステのポロシャツ、といっても実にたくさんのバリエーションが存在しています。1933年に誕生したブランド最初のアイテムが「L.12.12」で、読み方は、「エル・トゥウェルブ・トゥウェルブ」です。

LはファミリーネームであるラコステのL、そして最初の1はピケ素材、次の2は半袖を指し、最後の12は12番目の試作品でルネが製品化を認めたことを示しています。

あくまでもクラシックフィットのショートスリーブを指しているので、長袖などは名称が異なります。

ルネ・ラコステ

14歳からテニスを始め、わずか4年後にフランス選手権大会で優勝。引退までに4大大会を計7度も制した稀代の名プレイヤーとして知られていますが、実は発明家としても著名でした。

ルネの発明家精神はウェアだけにとどまらず、63年に木製ラケットに終わりをつげるスチール製のラケット、74年にはガットの振動を抑えるダンパー、そして現代では当たり前となっているテニスボールマシンもルネが開発しています。

なぜワニのロゴ?

1927年6月20日、ロンドンのウィンブルドンにあるオールイングランドクラブで、ワニのモチーフを身に着けるルネ
引用:FORZ STYLE

当時フランス代表と活躍していたルネは、オーストラリアの強豪アンダーソンとの決勝直前、フランスチームのキャプテンであったピエール・ジルーに、ワニ皮のスーツケースを冗談でせがみました。

「アンダーソンとの試合に勝利したら買ってあげるよ」と約束をしてくれましたが、惜しくも勝つことが出来ませんでした。

このやり取りがアメリカ・ボストンのジャーナリストの耳に入り「ルネはワニ革のスーツケースを手に入れることは出来なかったが、その戦いはワニのようだった」と評価。

ルネが試合で見せるねばり強いプレイスタイル、「くらいついて放さない」並外れたれた集中力、どんなプレイにも動じない落ち着きから、ルネはアメリカ、フランスにてワニの愛称で呼ばれるようになったそうです。

最初にワニがロゴのように使われたのは1927年のこと。友人のロベール・ジョルジュが描いた口を大きく開けたワニをブレザーに刺繍しました。その後、時代によってアップデートされますが、時代を経るにつれて、どんどん可愛げが増しています。

豊富なカラーバリエーション

「L.12.12」は、発売から20年ほど白一色のみでした。その理由は、ウィンブルドンでは、テニスコートは紳士淑女の社交場であり、汗染みが目立たない白い服の着用がマナー、という認識が強いからだそうです。

初めてのカラー展開は1951年のことで、今も作り続けられている紺と赤。その後、豊富なカラーバリエーションが展開されますが、白・紺・赤の3色に黒とボルドー、そしてラコステグリーンと呼ばれる深い緑色を加えた6色がいつでも買えるレギュラーカラーとして展開されています。

ボタンとミリ単位のこだわり

「L.12.12」のVゾーンには、細かいこだわりが詰まっています。
ボタンはすべて貝ボタンで、ボディの色に合わせて黒蝶貝、白蝶貝を使い分けられています。

さらに、上前立ては身頃に2mmだけ横に出るよう計算がされており、一番上までボタンを閉めた際に身体を動かしても、下前立てが見えない工夫が施されています。

そして、優雅に流れる裾の再度スリットは、昔も今も20mmピッタリに設定されています。

メイドイン秋田

日本で買える「L.12.12」は、1988年に秋田に設立されたラコステの専門ファクトリーで作られています。

初代工場長がフランス・トロワの工場に赴いて作った細かな仕様書をもとに、昔も今も日本の職人の皆さんが腕を振るっています。なんと、過去には日本製が輸出されたこともあるそうです。

おわりに

一着の「L.12.12」は、30もの工程を経て完成します。そして、ほぼ全ての工程が手作業で行なわれています。創業以来、世界中の工場がルネの作ったレシピをミリ単位で守り、受け継がれていると思うと、なんだか胸が熱くなりますね。

そのポリシーは”裏返しても美しく”。見える部分だけではなく、裏側にまで美しさを求める姿勢が、90年も変わらず愛されるゆえんなのかもしれませんね。