セカンドタイプのジージャンってなに?

こんにちは、コロモビト.新人ライターのかわしまです。

以前、ファーストタイプのジージャンについてはこちらの記事でご紹介しましたので、今回はセカンドタイプのジージャンって一体全体なんでしょうか、というお話をさせていただければと思います。

有識者の方によって語りつくされたテーマではあるんですけども、さくっと解説してますのでよかったらどうぞ。

(記事後半ではお勧めのセカンドタイプのジージャンを紹介しています)

(引用:Lightning)

▼この記事はこんな方にお勧め

・セカンドタイプってなに?という方

・セカンドタイプのジージャンを探している方

・拘った国産ジージャンを探している方

・人とは違うジージャンを探している方

リーバイス507XXの誕生と変遷

(73年公開の映画”地獄の逃避行”より。58年のネブラスカを舞台にしたクライムロードムービー)

第二次世界大戦閉幕間もない1952年、リーバイス社はいわゆるファーストモデルとして名高い506XXのモデルチェンジを行ないます。

戦時中の物資統制が解かれ初めてのモデルチェンジ。ということはつまりいわゆる大戦モデルとかって呼ばれるリーバイスのジージャンは全部ファーストだっていうことですね。あんまり考えたことなかったです。

で、その元祖ジージャンの純粋な後継モデルとして生まれたのが507XX、通称セカンド。細かな仕様変更を繰り返しながら1952-62年にかけてのおよそ10年間生産されました。

朝鮮戦争に刺激される形で好調だった米国経済を支えた労働者たちのユニフォームといったところでしょうか。主に白人の肉体労働層に愛用されたといわれています。

生産期間の短さ、使用されていた背景などから現存する個体は少なく、ヴィンテージ市場では50万円を越える高値がつくことも・・・

インナーの襟ぐりにつくパッチの素材や左ポケットに付くリーバイスタブの仕様で製造年代を見分けることができ、

1952-53年に作られた初期型は革パッチに片面タブ。

1952-55年に作られた中期型は革パッチに両面タブ。

1954年ごろから生産終了まで作られた最終型は紙パッチ(ギャラ入り仕様)。

となっています。

尚、インナーにブランケットがつくものは別品番が与えられ517XXと呼ばれました。

(ブランケット付きのリーバイス517XX 引用:Boo-Bee)

50年代の中盤からはワークウェアとしての役割は薄れていき、街着としての印象が強い通称サードへとモデルチェンジをすることになります。ファーストの記事の際にも述べましたが、今一般的に”ジージャン”と呼ばれているものはサードのデザインをモチーフにしたものが多いです。

その、サードやらよく聞く品番70505やらについてはまたの機会にお話ししましょう。

デザインの特徴4つ

デザインの特徴を大雑把に説明するとすれば、外せないのがこの4つのポイント。

1.シンチバックからサイドアジャスターに

ファーストタイプでは背中にシンチバックと呼ばれるサイズ調節ベルトが付属しており、いかにも古めかしいヴィンテージ!!という雰囲気むんむんなのですが、ベルトの金具が木製の椅子を傷つけるなどの理由でサイドのボタンアジャスターに仕様を変更。そしてこの仕様は現代へと受け継がれています。

これにより着用したままでもフィット感を調節できるようになり機能性も向上しました。

2.短い着丈

ファーストタイプより少し短い着丈もセカンドタイプならではの意匠。

作業時の動きやすさをより重視したワークウェアならではのディティールと言えます。

3.アクションプリーツ

こちらはファーストと同様。前立て部分にアクションプリーツがダブルで付いています。こちらも動きやすさを重視したと思われる部分ですが、実際に機能しているかはちょっと怪しいところ。

そのせいなのかどうなのか、サードでは廃止されるディティールです。

(引用:Amvai)

4.胸ポケットが2つに

言わずもがなですがポケットが2つになったことが一番分かりやすい進化のポイント。セカンドの象徴ともいえる部分です。ポケットひとつならファースト、ふたつならセカンドと覚えてくださいね。

現代版セカンド、フロムジャパン

名作と名高いヴィンテージモデルなだけあって、そのデザインをサンプリングしたいわゆる”セカンドタイプ”のジージャンが国内外問わず様々なメーカーからリリースされています。本家リーバイスが近年展開しているアメリカ製の復刻シリーズLVC(Levi’s Vintage Clothing)もなかなかいいんですけども、それぞれの解釈で再構築された他社製のセカンドにも魅力的なモデルがたくさんあります。

その中でも今回は、ヴィンテージウェアへの愛が半端じゃないことで有名なFOB FACTORY(FOBファクトリー)、そしてデニムウェアのクオリティに世界中から高い評判を得ているJAPAN BLUE JEANS(ジャパンブルージーンズ)から1着ずつご紹介。

FOB FACTORY F2378 G3 セルヴィッチデニム 2ND ジャケット

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デニムに限らず様々なヴィンテージウェアをモチーフにしたアイテムを岡山児島から発信。どのアイテムも見れば見るほどにそのヴィンテージへの造詣の深さ、そして溢れ出さんばかりの愛を感じるFOB FACTORY渾身の一作。

177cm70kgでサイズ42を着用。ユーズドウォッシュのモデルもあるんですが、今回はこちらのワンウォッシュタイプをご紹介。

サイズはちょっと緩いくらい。40でも問題なく着用できそうです。

すみません、インナーが長いせいか着丈が分かり辛いかもしれませんがこれで63cm。アームホール、身幅などスリムにアレンジされており、オリジナルと比べあか抜けた現代的なボックスシルエットです。

特筆すべきはその素材。

日本で現存する最古の織機、豊田自動織機GL3でゆっくりと時間をかけて織られたFOBオリジナルの14ozセルビッチデニムは、その重厚感、迫力、質感、どれをとっても筆舌に尽くしがたい魅力を備えています。

ネップ感が強く荒々しい生地には現代の大量生産品では感じられない暖かさが宿ります。そして、クリーンというよりはダーティ、ジェントルというよりはワイルド。まさにそんな雰囲気です。

(グリーンのタブが良いアクセントに)
(サイドのアジャスター)
(勿論セルビッチ仕様)
(オリジナルレザーパッチを使用)

オリジナルに準じた各ディティール。抜かりないです。

縫製にはヴィンテージのユニオンスペシャル(ミシン)を使用、ブランド刻印入りのスチールボタンはこだわりのUSA製、誰がそこまでしてくれと言ったでしょうか….詳しくは商品ページをご覧いただきたい限りです。

JAPAN BLUE JEANS J386621 モンスター デニムジャケット

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ジーンズの町、岡山児島より、本物にこだわり飽くなき追及を続けるJAPAN BLUE JEANS。海を越えて世界各国にファンを持つ”生粋のデニム屋”が解釈した現代版セカンドがこちら。

同じく177cm70kgがサイズ42を着用。FOBのものよりもよりスリムなフィッティング。着丈の差はいくばくもないのですが、こちらの方がシルエットが若干縦長な印象を受けます。普段ショート丈を着ない方にも取り入れていただきやすいかと。

こちらにもユーズドウォッシュのモデルがあります。

インディゴブルーとはこの色だ!!と言っても過言ではない綺麗な藍色は見る人を惹き付けます。

また生地の話になってしまうのですが、モンスターデニムの名の通り、16.5ozの極厚デニムを使用。リーバイスのスタンダードである501が13.8ozですからそのインパクトは想像に難しくないでしょう。

原料となったコットンの品種にも拘っており、使われているのは品種改良の加えられておらず、”本来の綿”にもっとも近いと言われているコートジボワール産コットン。ヘヴィーながらも素朴で優しい風合いは古き良きヴィンテージ感の演出に大きな役割を果たしています。

(タブの付かないシンプルな仕上げ)
(国旗柄セルビッチ仕様)
(スリムなアーム)
(モダンな印象のレザーパッチ)

こちらはイエローステッチでなくオレンジステッチですね。

レザーパッチにも記された”コートジボワールコットン”の文字が誇らしげ。よく見るとセルビッチにコートジボワールの国旗カラーがあしらわれているのはさり気なくってニクいポイントです。

こちらも気になった方は商品ページを是非ご参照ください。

最後に

今回は通称”セカンドタイプ”のジージャンの特徴と、サンプリングから生まれた現代版セカンドについてご紹介しました。

デニムの聖地岡山児島の名門ブランドが解釈したそれぞれの”セカンド”。オリジナルへのリスペクトを込めつつモダナイズドされたそのいで立ちに、名作はいつの時代も色褪せず受け継がれていくのだなあとしみじみと感じたかわしまでした。

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