Tシャツの概念を超越したRe made in tokyo japanの最高傑作にして、永遠の定番ドレスTシャツ。
すでにご存知の諸兄も多いであろうこのアイテムだが、なぜにこんなにも虜になるのだろうと今一度観察してみた。
一つ一つ紐解きながらその魅力を紹介するとしよう。
ドレスTシャツとは?
まず純白のボックスが目に飛び込んでくる。
そっとふたを開けるとまるでイタリアのCAMICIAの如く、箱の中に鎮座する 柔らかく穏やかでありながらもはっきりとした主張を持つ光沢感のある生地が語りかけてくるかのようである。『さぁ、手に取ってごらん』と。
肌に触れた瞬間に感じるなめらか且つしっとりとした質感。一見華奢なように見えたが、しっかりと重厚感を感じるその様は、ダンディズムであると言えるだろう。
なぜ、この繊細さと重厚感を併せ持つことができたのか。それは厳選されたコットンと選ばれた編立方法によるものだろう。
21世紀の最先端バイオテクノロジーを駆使して開発された原綿を デカン高原の綿花に適した大地で育て、成熟度に合わせて、ひとつひとつ痛みの少ない人の手で収穫、年間わずか500梱程度しか収穫できない希少な最高級超長綿マハラニコットンを使用している。
コットンの王様と呼ばれるSUVINコットンに匹敵する繊維長を持つこのマハラニコットンは、ヒンディー語のマハ(偉大なる)ラニ(王妃)から名付けられ、上品な光沢、繊細で優しい風合い、白度の高い表面、高いコットンオイル含有率ゆえの独特のしっとりとした肌触りとまさにコットンの女王と呼ぶにふさわしい佇まいだ。
しかし、そのままでは少し繊細過ぎるこのコットンだが、そこはさすがのReである。
サルトリアの高級ドレスシャツに使用されるかの如き120番手の極細糸に紡績し、さらに2本を撚り合わせ双糸にし、そしてさらにいわゆるTシャツ生地の天竺ではなく、両面編み(スムース)に仕上げるというのだから脱帽だ。
単純に計算していただくと分かるのだが、120番手を2本で60番手と同じくらいの太さとなる、それを両面編みで倍の糸量を使うのだから、30番手ほどのイメージといえるだろうか。しかももともとの糸が極細ということもありしっかりと目が詰まり、ヘビーウエイトに匹敵する重厚感となっているのだ。
手に取ったあとは、早速袖を通してみようかと思ったが、いやいやまだ気になるポイントを見つけてしまった。
よくあるTシャツでは襟にフライスを使うことが多いのだが、このドレスTは身生地と共地である。フライスであれば伸縮が大きいため、天巾・前下がりなどはそこまで気を使わずに所謂普通に作れてしまう。
スムース生地を使うということはそれだけ首周りのバランスを取るのが難しくなるのだ。その上、縫製には熟練の技が必要。簡単に言うと下手に縫うと大きく波打ってしまうのだ。
襟周りを4重生地にした補強バインダー、襟裏の補強布(これは織りネームが外側に干渉しない役割も果たしている)で重厚に仕上げつつ、15mmの細幅に設定した襟巾、絶妙なカーブ、そして身生地と共地で繋がる滑らかな光沢感でエレガンスをプラスする。
このニュアンスに最適な着地をするために使用する縫製糸もウーリー糸にする手の込みよう。文句の付け所が無いとはこういうことなのだろう。
見た目だけで長々と語ってしまったが、そろそろ着てみることとしよう。
袖を通してみるとFirst impression通りのその滑らかな肌触りに心奪われそうになる。グッと平常心を保って、レポートを続けるとしよう。
このホワイトカラーは白度の高い白ボディーでありながらも双糸で両面編みのお陰か透け感は適度に抑えられている。一枚で成立するということを念頭に企画されているのがよく伝わってくる。そしてこの上品な光沢感だ。ドレスTの名が示す通り、上質なCAMICIAを着ている時と同じ高揚感を覚える。
また随所に光るのは意匠ではない、機能美ともいえるデザインだろう。
袖口のスリットは上腕二頭筋による圧を逃してくれ、快適なアームの挙動をサポートしてくれる。裾のサイドスリットは、少し長めに設定された後着丈が秀逸だ。洗濯によって生地の縮率が影響を及ぼし、歪みが出るというのはどんなTシャツでも起こりうる現象だ。そのシルエットの型崩れを極力抑え、長く一軍で活躍してもらうための工夫がこのスリットということなのだ。
購入直後だけではない、ワードローブに取り入れた後の商品の状態までイメージしたデザインというわけだ。
襟型はクルーとVネック、二種類ある。シーンや好みによって使い分けていただきたいが、せっかくなのでROCOCO的なコーディネートを紹介しておこう。
Crew neck
ではクルーネックからいくとしよう。
純白のTシャツに合わせるのはソリッドで滑らかな表面感との対比が光るシアサッカーのセットアップなどはいかがだろう。普通のTシャツではその豊かな凹凸感に負けてしまうが、そこはドレスT。まばゆいばかりの白度の高さと柔らかい光沢感でしっかり主張し、尚且つ互いを引き立てあうベストパートナーのひとつと言える。
颯爽と街角を歩く姿を見るとPITTI UOMOの会場に迷い込んだのかと錯覚してしまうというのは言い過ぎだろうか。
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V-neck
Vネックはダークトーンなコーデでいってみようか。
重くなりがちな組み合わせも控えめな首のVラインで爽やかさをプラス。太陽の光を適度に打ち返すボディから生まれる芸術的な陰影も相まって他には何の装飾も必要ない。一枚で成立してしまう強さを存分に感じてみよう。
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Organic Cotton
せっかくなので、最近仲間に加わったオーガニックコットン版のドレスTにも軽く触れておこう。
所謂サスティナビリティというものへRe的アプローチをしていったものではと解釈している。だが、そこはReだ。「ただオーガニックコットンです。」では終わらない。
USオーガニックコットン専門農場において手積みで丁寧に収穫された綿花を、なんとイタリアの名門テキスタイルメーカー【アルビニ社】で紡績。
高級シャツ生地メーカーであるトーマスメイソンやディビッドジョンアンダーソンなども傘下に抱えるアルビニ社の糸は最新技術を駆使して作られた滑らかな肌触り、そして高密度の細番手で醸し出される光沢感は、他では真似できない上質なものとなる。コットンオイル含有率も高く、しっとりと光沢のある風合いを実現。
その糸を日本の老舗ニッターで丁寧に編み上げている。重厚感のある厚みでホワイトでもほぼ透け感が無いほどまでの高密度な度詰天竺編みである。
またこちらのオーガニックドレスTはドレスシリーズ初の製品洗い加工を施し、更に目を詰め生地をしっかりと安定させている。生地の耐久性に優れ、家庭での洗濯の際にもほぼ縮みは出ないであろう。
オーガニック特有の優しい肌触りと上品な佇まいが同居する、ナチュラルではないドレッシーなオーガニックTシャツ。他では決して出会うことはないのではないだろうか。
Tシャツの新しい解釈を生み出してくれたRe made in tokyo japan、次はどんな未来を見せてくれるだろう。期待を胸に今後も注視していきたいと思う。
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